昨日(12/8)「平成29年度税制改正大綱」が発表になりました。
金融庁が要望していた積立NISAも新設されます。
・既存のNISAとは選択制(どちらか1つ)
・年間投資額40万円まで×非課税期間は20年
・非課税期間(20年)内に得られた譲渡益などは非課税。(その代わり)損もないものとみなす
・金融機関と定期的かつ継続的な契約を結んだ場合とする
・対象は公募の株式投資信託に限る
-信託期間が無期限または20年以上の運用期間があること
-毎月分配でないこと
-複数の有価証券または複数の特定資産に対して分散投資をして運用を行い、かつ一定の場合を除いてデリバティブへの投資による運用を行わないこと(→レバレッジ型や通貨選択型を想定しているようです)
*最終的にどの程度まで投信を限定するのかは注目したいところ。。個人的には(毎月分配型やレバレッジ型はよいとしても)あまり大幅な商品の絞り込みはしてほしくないです。資産配分は金融資産全体で考えるべきで、NISAだけで「分散できる商品」をおしてもあまり意味がないと思うからです。また、確定拠出年金の本数制限について議論されており、こちらはインデックス投信中心になりそう。NISAについてはむしろ自由度が高いほうがよいと考えます。
そのほか、既存のNISAについてはいみ
・非課税期間終了時に、値上がりした場合に青天井でロールオーバーできるようになる
・非課税期間終了時に値下がりしていた場合の対応は従来のまま(→非課税期間終了時に課税口座に移管・新たなNISA口座にロールオーバーする際は取得価額が変わる。そのため、課税口座に移管すると課税強化になることもある)。
*今回の税制改正大綱には「複数の制度が並立するNISAの仕組みについて、少額から積立・分散投資に適した制度への一本化を検討する」との記述もありました。
個人投資家さんや金融機関の販売の方からも、既存のNISA、ジュニアNISAに加えて、積立NISAができると、「制度自体がより複雑になる」「わかりにくい」という声も耳にしました。既存のNISAでも投信の積立は可能なわけで、既存のNISAの非課税期間・制度期間を延長していけばよかったと思うのですが……。
シンプルな制度でないと普及しないし、金融機関のシステムコストもかさみます。そして、それは、結局投資家の負担になります。少しでもシンプルでわかりやすい制度になることをのぞみます。