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 2019/12/12(木)23:34:58

令和2年度税制改正大綱にみるNISAの変更点

「令和2年度税制改正大綱」が公表されましたので、NISAの変更点についてまとめました(確認の上、12/22に加筆・修正しました)


〇つみたて NISA
→新規に積み立てできる期間を5年延長(現行2037年⇒2042年)。



〇一般NISA(非課税期間5年)
2023年に一般NISAの新規投資枠が終了するのに伴い「新NISA」を創設。2024年から2028年まで投資できる期間を5年延長。
・非課税期間は最大5年で変わらず
・非課税投資枠は5年合計 610 万円(現行NISA は合計 600 万円)
2024年1 月 1 日より適用

・新NISA2階建ての制度となる
【原則】1階部分を利用しないと2階部分の投資枠を使うことができない
・1階部分:つみたてNISA対象商品/積み立て限定/年間20万円まで
・2階部分:現行の一般NISA対象商品(上場株式、株式投信、ETF等)から一部商品を除いたもの(*)/年間102万円まで/スポットでも積み立てでもよい
*レバレッジを効かせている投資信託、上場株式のうち整理銘柄・管理銘柄は対象外


・投資枠は合計122万円(現行の120万円⇒2万円増加)
・2階を利用するのに、1階部分で20万円の枠をすべて使い切る必要はない

 ・1階部分については、5年の非課税期間終了時に「つみたてNISA」にロールオーバーすることができる。その場合、簿価でつみたてNSIAにロールオーバー(満額で利用している場合には20万円。つみたてNISA40万円の枠があるのであと20万円追加投資可能)。5年+20年で25年、結果的に非課税で積み立て投資をすることも可能


〇一般 NISA を利用していた人(NISA口座開設者)や上場株式などの投資経験者は「1階部分」を利用しないことを証券会社等に届け出れば、「2階部分」のみの利用もできる。
・ただし、「2階部分」のみを利用する場合、で投資できるのは上場株式のみ。投資信託やREITなどへの投資はできない。
・1階部分を利用しないと年間非課税枠は減少する(2階の102 万円まで)
2階部分で株式投信やREITETFなどを購入するには1階部分を利用する必要がある


〇ロールオーバーについて
・手続き:現行NISAを利用いている人については、新制度開始時に自動的に新NISAが設定される(再度マイナンバーなどの本人確認書類を出しなおす必要はない)。
・現行NISAを利用している人は新NISAに青天井でロールオーバーできる。例えば、年間枠122万円を超えて全額ロールオーバーできる
2階の枠から使い、2階の枠(102万円)を超えると、1階部分を埋めていく(ことになる予定だが、システム等も鑑み、細かい点はこれからつめる)。


 〇ジュニアNISA
2023年の投資枠をもって終了
2024年1月1日以降はジュニアNISA(または課税未成年口座で)保有する上場株式等・金銭については、源泉徴収をせずに払い出すことができるようになる予定(払い出し制限解除)
・その場合、ジュニアNISAの口座を廃止して全額を払い出す必要がある(一部の払い出しはできるが、現行と同じ=課税)。
2023年末までに投資した分を18歳年度末まで保有し続けることも可能(その時にNISAが存続していたら、成人NISAに移管することはできる、はず)


 (雑感)
現行の一般NISAでさえ、ロールオーバーなどがあり、一般消費者の方からは「仕組みが難しい」「わかりにくい」との指摘を受けます。今回二階建ての新NISAになることで制度はさらに複雑化。販売側も、利用者も理解できるのでしょうか。潔く「つみたてNISA」だけ残し、未成年も利用できるようにする、将来的に投資枠を広げる、対象商品についても検討する、といった選択肢もあったように思います。


いずれにしても、現行の一般NISA・新NISAは制度設計(非課税期間5年間、ロールオーバー・課税口座への移管時に取得価格が変わる)を考えると長期でコツコツ資産形成を行うにはハードルが高いです。これから利用する人は、非課税期間20年で、制度もシンプルな「つみたてNISA」を利用するのがベターでしょう。

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